第5話 化蛇かだ(下) 小白の身代わりとなって死んだのは、車いすの僧侶、覚悔かくかいであった。彼の真の姿は‛‛化蛇かだ''という蛇の妖怪だった。小白が井戸の中にある化蛇の妖気につられてやってきたことで、二つの妖気が合わさり、鹿門山に水害が起こっていたという。覚悔は桃夭に、妖怪退治の日に自身を殺すよう頼み、過去を語り始めた。まだ化蛇の姿だった時代、人間に殺されそうになったところを助けられた日から、彼は生き残るための強さを求める人生を送っていた...。